12月28日 第179号

平成19年度予算政府案決定

 先日、平成19年度予算の政府案が閣議決定されました。厚生労働省雇用均等・児童家庭局の予算案は、前年度比6.7%増の9,327億円となりました。
児童養護施設関係予算については、全国児童養護施設協議会が長年要望してきた「身元保証人確保対策事業」が創設されます。また、個別対応職員の常勤化、といったことが主な項目となっています。
  【平成19年度家庭福祉対策関係予算(案)の概要】
  (平成18年度予算額)     (平成19年度予算当初内示額)
   240,486百万円   →   245,051百万円(1.9%増)
 詳細につきましては、平成19年度予算政府(案)の概要(厚生労働省雇用均等・児童家庭局関係)資料を添付しますのでご参照ください。

「児童養護における人権擁護と人権侵害の禁止・防止・対応のための要項およびチェックリスト改訂版(第一次試案)」への取り組みについて(お願い)

 先日、すべての児童養護施設に対し「人権擁護の自己点検にむけて本要項およびチェックリスト」を送付いたしました。大変お忙しい時期ではございますが、チェックリストにお取り組みのうえ、平成19年1月31日(水)までにご返信をいただきますようお願いします。

全養協・厚生労働省会議等スケジュール

 平成19年1月から5月までの全養協・厚生労働省会議等スケジュールをお知らせします。
【全養協】
 1月17日(水)〜19日(金)中堅職員研修会
 1月29日(月)子ども家庭福祉・社会的養護に関する制度のあり方特別委員会(第6回)
 1月30日(火)児童養護における養育のあり方検討特別委員会(第4回)
 2月5日(月) 調査研究部(第4回)
 2月7日(水) 退所児童自立支援事業運営委員会(第2回)・総務部会(第3回)
 2月8日(木) 制度政策部(第3回)
 2月14日(水)〜15日(木)ファミリーソーシャルワーク研修会
 2月16日(金)ブロック協議会会長会議、常任協議員会(第4回)、顧問・相談役会議
 3月19日(月)平成18年度協議員総会(第2回)
 5月11日(金)平成19年度協議員総会(第1回)
【厚生労働省】
 1月16日(火)全国厚生労働関係「部局長」会議
 2月23日(金)全国児童福祉主管「課長」会議
 (3月予定)  全国「家庭福祉施策担当係長」会議

研修会・就学助成等のご案内

 @ 平成18年度「全国児童養護施設中堅職員研修会」〜新しい児童養護施設と中堅職員の役割〜
日 程: 平成19年1月17日(水)〜19日(金)
会 場: 東京ファッションタウンビル(東京都江東区有明3-1)
対象者: 児童養護施設中堅職員(児童養護施設におおむね5年以上勤務している方)150名
申込方法: 「開催要綱」をご確認のうえ、所定の申込み用紙を名鉄観光サービス鰍ノお送りく
ださい。申込〆切は過ぎていますが、まだ若干の空きがありますのでぜひご参加ください。
【2次〆切:平成19年1月10日(水)】

 A 平成18年度「ファミリーソーシャルワーク研修会」
日 程: 平成19年2月14日(水)〜15日(木)
会 場: 全国社会福祉協議会 灘尾ホール・5階会議室(東京都千代田区霞が関3-3-2)
対象者: 乳児院・児童養護施設・情緒障害児短期治療施設・児童自立支援施設の家庭支援専門相談員および母子生活支援施設の母子指導員・少年指導員/ファミリーソーシャルワークに従事している方/児童相談所等行政関係者等
定 員: 300名
申込方法: 「開催要綱」をご確認のうえ、所定の申込み用紙を名鉄観光サービス鰍ノお送りください。
申込〆切: 平成19年1月26日(金)(先着順、定員になり次第〆切ります)

B 平成18年度「JOMO児童養護施設・母子生活支援施設等奨学助成事業」について
12月15日に、本事業「実施要領」を送付いたしました。高校3年生の在籍児童で、進学を検討されている児童につきまして、ぜひ積極的にご活用ください。
(内 容)
児童養護施設在籍児童で高校卒業後、大学・短大・専門学校等へ進学する場合に支度費として10万円を助成する(※詳細については、後日送付する実施要領をご確認ください)。
(参 考)平成17年度実績(児童養護施設分):143名に助成(総額17,500,000円)

C 2007(平成19)年度「メイスン財団奨学制度」について
平成19年1月中旬にすべての児童養護施設宛に「実施要領」を送付する予定です。高校3年生の在籍児童で、進学を検討されている児童につきまして、ぜひ積極的にご活用ください。
(内 容)
1)主 催: 財団法人東京メソニック協会
2)助成対象: 全国の児童養護施設を退所し(措置延長者含む)高校卒業後、平成19年4月に、大学、短期大学、専門学校等に進学する向上心旺盛で、特に経済的援助を必要とする者、若干名。ただし、他の機関から授業料の助成を現に受けている者および授業料免除の者(特待生等)は除く。(授業料以外の助成は可。例:雨宮児童福祉財団の入学金助成、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金、JOMO奨学助成など)。
3)助成期間: 進学した学校の卒業まで。ただし、退学・休学・留年の際は助成を打ち切る。
4)助成内容: 進学する学校の授業料。ただし、年50万円を限度とし、返済は不要。
5)日 程: 募集要項を配布:平成19年1月中旬 申込〆切:3月末
6)その他: 最終選考にすすんだ場合、施設長の推薦文と本人の志望動機を英文で作成していただきます。

D 東宝株式会社より、児童養護施設へのクリスマスカード寄贈の申し出を受けて、児童養護施設住所ラベルを提供いたしましたので、ご承知くださいますようお願いいたします。

平成19年度 子ども家庭福祉関係等予算案の概要

 財務省は平成18年12月20日、各省庁に対し平成19年度予算内示を行いました。復活折衝を経て、12月24日(日)の閣議において政府案が決定し、年明け1月25日に開会される通常国会に提出されます。
 厚生労働省雇用均等・児童家庭局関係の19年度予算案は、三位一体改革(児童扶養手当の国庫負担率の変更、公立保育所整備費の一般財源化など)の影響を大きく受けた18年度予算からは、やや伸びを示し、前年度比6.7%増の9,327億円となりました。子ども・子育て応援プランの着実な推進にともなう予算確保のほか、新規予算の確保がみられます(詳細は以下)。

【家庭福祉課、同課母子家庭等自立支援室関係】
1. 要保護児童対策の推進 (平成18年度[当初]予算 → 平成19年度予算案)
(1) 施設の小規模化の推進(23.73億円→32.63億円)
@ 小規模グループケアの推進(15.76億円→16.66億円、549か所→580か所)
A 地域小規模児童養護施設の設置の推進 (7.97億円→15.97億円、100か所→200か所)
(2) 児童福祉施設における支援体制の強化(66.49億円→76.01億円)
@ ケア担当職員の質的・量的充実(48.98億円→58.44億円)
児童養護施設、児童自立支援施設、母子生活支援施設および情緒障害児短期治療施設の個別対応職員(非常勤)の常勤化【1名】。
乳児院の家庭支援専門相談員(平成16年度より全施設分の常勤化予算確保)の拡充
→認可定員50人以上の乳児院に、非常勤職員1名加配分の予算を確保
A 大学進学等自立支援生活支度費(0.12億円→0.12億円)(18年度予算より確保)
児童養護施設、児童自立支援施設、情緒障害児短期治療施設に措置入所している子ども、もしくは里親委託されている子どもが大学等に進学するため施設等を退所する子どもに支給する、自立生活支度費の引き上げ
(3) 里親への委託の推進
@ 専門里親(1.92億円→2.29億円)
虐待を受けた子ども等の専門里親への委託の推進
A 里親委託推進事業の充実(児童虐待・DV対策等総合支援事業にて確保)
里親委託推進事業の充実
(4) 総合的な子どもの自立支援の推進等
@ 身元保証人確保対策事業の創設(★新)(児童虐待・DV対策等総合支援事業)
 児童養護施設等を退所する子ども、DV被害を受け保護された女性等を対象に、就職やアパート等の賃借の際の身元保証人を確保する
 →厚生労働省では、施設長等を身元保証人とした上で、全社協を保険の受付・取りまとめ窓口として運用する方向で検討しており、現在事業の枠組みについて関係機関・損害保険会社等と調整を進めています。本制度については、平成19年4月からの実施が図れるよう、1月26日に開催する都道府県・指定都市社会福祉協議会常務理事・事務局長会議で詳細を報告する予定です。
A 児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)の推進(児童虐待・DV対策等総合支援事業)
 子ども・子育て応援プランに基づく設置推進(21年度までに60か所)、10人未満の自立援助ホームの職員体制充実
B 児童家庭支援センターの設置推進(児童虐待・DV対策等総合支援事業)
子ども・子育て応援プランに基づく設置推進(21年度までに100か所)
C (略)
2. 母子家庭等自立支援対策の推進
(1) 子育て・生活支援、就業支援、養育費確保策等の推進(29.68億円→34.51億円)
@ 母子家庭等就業・自立支援センター事業(拡充)(母子家庭等対策総合支援事業)
 一貫した就労支援サービスや養育費相談等生活支援サービスを提供する母子家庭等就業・自立支援センター事業の実施、養育費に係る相談員の新規設置
A 母子自立支援プログラム策定事業(母子家庭等対策総合支援事業)
 自立支援プログラムに基づきハローワークと連携し支援、ハローワークに就労支援コーディネーター・就職支援ナビゲーターを配置(ハローワーク分は職業安定局予算)
B 在宅就業の支援(★新)(0→0.68億円)
 母子家庭の母親が良質な在宅修業を得るため、受注および再発注のあっせんを行う事業等について支援を実施
C 「養育費相談・支援センター」の創設(★新)(0→0.71億円)
 養育費の取り決め等に関する困難事例への対応、地方公共団体の養育費相談機関の業務支援等を行うセンターの創設
D 母子生活支援施設における支援の充実(児童入所施設措置費に一括計上)
 定員40世帯以上の母子生活支援施設に母子指導員および少年指導員を配置し、DV被害等の課題を抱える母子への処遇を充実
E (略)
3. 配偶者からの暴力(ドメスティック・バイオレンス)への対策等の推進(略)
4. 施設の運営・整備関係 ※今夏の概算要求時から下線部分が追加されています
@ 児童入所施設措置費等(略)
A 一時保護施設等の環境改善(次世代育成支援対策施設整備交付金〔ハード交付金〕)
 児童虐待の対応を図るため、ハード交付金において、児童相談所および婦人相談所の一時保護施設における充実を図るとともに、児童養護施設等に一時保護を受託するための施設整備を実施
児童相談所の一時保護所と児童養護施設については、18年度補正予算から、その他の施設については19年度予算から予算措置(18年度補正予算に関する資料は、参考資料として、家庭福祉課および虐待防止対策室資料に掲載されています)
認可定員以上に一時保護を受ける場合の専用室の整備予算を想定。ただし100%充足率がなければいけないという都道府県ではなく、一定水準(9割程度を想定)であれば可とするゆるやかな適用を考えているとのこと。充足率の低い施設は、協議の段階で交付対象から外される可能性がある
人員配置は現状対応を想定しており、この分の人件費予算は確保されていない
20年度以降も継続して予算化される想定
ハード交付金であるため当然に、都道府県・市町村が策定する行動計画をもとに作成する整備計画に組み入れられ、協議対象に上がることが前提。暫定定員〜認可定員の枠内での一時保護については、扱いは従前どおり

【総務課虐待防止対策室関係】
1. 発生予防対策の充実
(1) 生後4か月までの全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)の創設(★新)
(次世代育成支援対策交付金〔ソフト交付金〕)
生後4か月までの乳児のいるすべての家庭を訪問し、乳児家庭の孤立化を防ぎ乳児の健全な育成環境の確保を図る
(2)(3)(略)
(4) 地域子育て支援拠点事業(★新)(0→84.41億円)
つどいの広場事業、地域子育て支援センター事業を再編し、児童館の活用も図りながら、子育て支援拠点の拡充を図る(子ども・子育て応援プラン21年度目標6,000か所の前倒し実施)
(5) (略)
2. 早期発見、早期対応体制の充実
(1) (略)
(2) 児童相談所等の機能強化(児童虐待・DV対策等総合支援事業)
@ 児童虐待防止対策支援事業の一部について補助単位を都道府県・指定都市・児童相談所設置市単位から、児童相談所単位に改善し、体制強化を図る
(スーパーバイズ・権利擁護事業、※法的対応機能強化事業、※一時保護機能強化事業、※24時間365日体制強化事業) ※印は18年度補正予算から
A 児童相談所における家族療法事業の推進
(3) (既述のため略)
(4) (既述のため略)
3. 自立にむけた保護・支援・アフターケアの充実
(1)(2)(3)(既述のため略)
(4) 総合的な子どもの自立支援の推進
@AB(記述のため略)
C 施設を退所した子ども等に対する就職・就学を促進するための生活福祉資金の貸付け
 生活福祉資金制度を活用し、退所後の子どもがアパートを借りる際の当面の賃借料や、就学に必要な資金等の貸付けを行う

地方財政措置 
予算措置のほか地方財政措置においても少子化対策を講じる(詳細略)



児童虐待・DV対策等総合支援事業(17.83億円→23.07億円)
対象事業として、身元保証人確保対策事業を新規創設(既述のため略)

母子家庭等対策総合支援事業(18.84億円→19.19億円)
対象事業にある、母子家庭等就業・自立センター事業を拡充(既述のため略)

次世代育成支援対策交付金(ソフト交付金)(339.56億円→365.00億円)
《対象事業》
(特定事業−子ども・子育て応援プランに基づき重点的に推進する事業)
(新)生後4までの全戸訪問(こんにちは赤ちゃん)事業
育児支援家庭訪問事業
子育て短期支援事業(ショートステイ事業・トワイライト事業)
ファミリー・サポート・センター事業
延長保育促進事業
病児・病後児保育事業
(市町村において地域特性や創意工夫を生かした子育て支援サービスの提供を行うための取組)
要保護児童対策地域協議会の設置・運営
(新)子育てパパ応援事業

(参考)
「つどいの広場事業」は、新規予算の「地域子育て支援拠点事業」に再編
18年度対象事業に挙げられていた「乳幼児健康支援一時預かり事業」は、「病児・病後児保育事業」となっている
「地域における児童の安全確保の取組」は18年度限りの予算措置であったので削除

次世代育成支援対策施設整備交付金(ハード交付金)(140.00億円→129.62億円)
 一時保護施設等の環境改善(既述のため略)